HOME > ニュースページ > 政治 > 詳細

【週間フォーカス】薄熙来 悲劇的な人生

2013年08月27日

【新唐人2013年08月27日付ニュース】中国の政界で一時最も輝いていた薄熙来に取って、8月22日から始まった公判は、現実の中に現れた悪夢に違いありません。江沢民から後継者として見込まれ、着々と頂点に向かって上っていた薄熙来が、夢の最高権力まで後一歩のところで、谷の奥底に転落してしまいました。本日は薄熙来の悲劇的な人生を振り返ってみましょう。

 

重慶市でトップを務めていた期間中、薄熙来は“紅歌を歌い、マフィアを一掃する”運動を大々的に行ったことで国内外から注目を集め、外部からは“薄沢東”(はくたくとう)と呼ばれていました。中央権力の最頂点にまで登り詰めるため、江沢民に追随し積極的に法輪功への迫害を行っていた薄熙来は、さらには生きた法輪功学習者から臓器を摘出するといった人道に反する罪にまで手を染めました。

 

時事評論家 夏小強さん

「薄熙来の重慶での『唱紅打黒』は、中共最高権力奪取のための世論準備のためでした。政変による政権奪取を企てた深層原因は、江沢民が現任指導部に対する不信任から、法輪功迫害の政策を続ける為に、薄熙来や周永康などと政変を画策し、薄熙来に最高権力を握らせ、迫害政策の後継者にしたかったのです」

 

強烈な嫉妬心、底知れない貪欲、極度に膨張した野心。薄熙来の過去を振り返ってみると、まるでシェークスピア劇に登場する悪玉が中国で現代版となってよみがえったかのようです。ある分析は、この3千年に一度しか見られない芝居では、シェークスピアが描いているように性格によって運命が決まっただけでなく、正と邪の間の激しいバトルも描かれていると述べています。

 

1949年7月、薄熙来の父親・薄一波(はくいっぱ)が中国共産党国務院副総理の座につきました。しかし、文化大革命になると、薄熙来の両親は共に打倒され、社会のどん底に陥れられました。当時17歳だった薄熙来も“現行反革命分子”として投獄。共産党刑務所の残酷さは薄熙来に大きなマイナス影響を与え、陰険で残虐な人に変わります。思想も極端に走り始め、強権こそこの世の真理であり、権力を握った者がすべてを決める事ができると考え始めたのです。

 

1995年春、鄧小平に北京市共産党委員会書記・陳希同(ちんきどう)を始めとする7つの省レベルの幹部による江沢民を検挙する書簡が届きましたが、鄧小平は書簡を薄一波(はくいっぱ)に渡し、処理を任せました。薄一波が検挙書簡を江沢民に見せたところ、江沢民は怯えたあまり、全身に冷や汗をかき、顔色が灰色になっていたそうです。腹黒い薄一波は、息子の出世の為に江沢民と条件を交わしました。その条件とは、薄一波が江沢民の罪を隠すかわりに、江沢民は薄熙来の面倒を見続ける事でした。

 

1999年、最高権力を手に入れた江沢民は個人の嫉妬心から、手中の党、政府、軍の大権を利用し、1億人の法輪功学習者に対し、前例のない迫害を発動。“名誉を汚し、経済を断ち切り、肉体を消滅させる”という迫害政策を実施。また、国家と法律を凌駕した法輪功迫害専門機構“610弁公室”を設立し、江沢民が直接指揮する殺戮機構となりました。

 

薄熙来から最も信頼されていた“王”という運転手によると、江沢民はわざわざ何度も遼寧省に赴き、“法輪功に対して強硬な態度を見せてこそ、上に登り詰める政治資本を手に入れる事ができる” と薄熙来に明確に話していたといいます。

 

直ちに、薄熙来は大連市の法輪功学習者に対する弾圧を大々的に行い、江沢民からの資金援助を受け、多くの刑務所を拡張または新築しました。全国各地から送還先が決まっていない法輪功学習者が大量に大連に運ばれ、拘禁されました。この後、薄熙来は大連市長から遼寧省の省長に昇進しました。

 

時事評論家 夏小強さん

「大連と遼寧省は法輪功迫害の最も深刻な地区になりました。うち遼寧省馬三家労働所の迫害は全世界にその悪名が知られています。これと同時に、薄熙来と谷開来は大規模な生体臓器狩りを行い、死体を販売し暴利を貪る許されない罪を犯しています」

 

遼寧省は中国で最も迫害が深刻な地区になり、当時の中央政治局委員、政法委員会書記の羅幹、公安部長の劉京などの法輪功迫害の元凶は、何度も遼寧省入りし、自らが指揮を執りました。司法部からも迫害強化経費として馬三家強制労働収容所に100万元の特別経費を支出しました。同じ瀋陽市に位置し、残酷な迫害手段で名を知られている張士教養院と竜山教養院にも、それぞれ40万元と50万元のボーナスが与えられました。

 

法輪功に対する迫害を通じて、薄熙来個人もうまみを味わいました。迫害に精を出せば出すほど江沢民から重用され、ポケットに入るマネーも増え続けることに気がついたのでした。薄熙来が江沢民とともに乗り込んだ“法輪功迫害”という地獄行き列車は、その後、ますます歯止めが行かなくなり、暴走を続けました。

 

人類道徳のボトムラインを破ることを選択し、率先して生体臓器狩りに加担した薄熙来が世界各地で提訴され、有罪判決が下されると、江沢民は薄熙来こそ二人とない後継者であると認定しました。彼のように法輪功迫害に手を真っ赤に染めた人でこそ、本来起こるべきではなかったこの血なまぐさい迫害を続けることができると江沢民には分かっていたのです。

 

現任の最高指導部に対する不信任から、江沢民は迫害政策を続けていく為に、薄熙来、周永康らと政変による権力奪取を画策。薄熙来に最高権力を握らせ、迫害政策の後継者にするつもりでした。

 

しかし、いくら周到な計画であっても天意にはかないません。政変計画が半分ほど進んだとき、薄熙来の腹心だった王立軍が米領事館へ駆け込んだことで、流れが一気に変わり、薄熙来、谷開来が行ってきた生体臓器狩りの罪悪が再度晒されることになりました。法輪功に対する迫害は十年以上にわたり隠され続けてきたものの、生体臓器狩りの罪はもうこれ以上隠す事はできなくなりました。

 

時事評論家 夏小強さん

「外部から内部に至るまで、中共が直面している圧力はますます大きくなっています。隠しきれなくなったときは、中共はまず薄熙来を投げ出して、政権の危機を救うための身代わりにさせる可能性があります」

 

かつての政治スターが公開裁判を受けることになった今、背後の黒幕の周永康や江沢民が薄熙来案件と一線を画そうとしても、もはや不可能だと外界は見ています。習近平政権が次に手を下す目標は、中央政法委員会書記・周永康と元共産党総書記江沢民だと言われています。

 

時事評論家 夏小強さん

「薄熙来、江沢民など法輪功迫害の『血の債務派』が多年来行ってきた、大規模な生体臓器狩りと臓器売買の罪が国際社会で、すでに全面的に暴露され、多くの政府や人々の関心を集めています。ますます多くの人が立ち上がって、この暴虐を譴責し、制止させようとしています」

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/08/25/atext955464.html  (中国語)

(翻訳/坂本 ナレーター/大口 映像編集/工)

 

トップページへ